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悪魔の方程式とよばれて [宇宙]

アインシュタインの一般相対性理論の凝縮した形は、
アインシュタイン方程式とよばれるもので、別名、悪魔の方程式などと言われる。

式自体はとてもシンプルな形で、一行で記述されている。
これはテンソル形式で要約して書かれているためで、
10元連立の非線形偏微分方程式になっている。

Rij-(1/2)gijR=-kTij

ベクトル量からベクトル量へ変換する量をテンソルと呼んでいる。
記述がすっきりと書ける。
このあたりは、自分は理解しているわけではない。
しかしおぼろげだけれど、悪魔といわれるゆえんを感じ取ることは出来る。

この式の左辺は、非ユークリッド幾何学における空間の歪み量(曲率)を示している。
曲率がゼロの状態は従来のユークリッド幾何学、プラスの状態は閉じた空間になり、
マイナスのときは、鞍型の空間の歪みになる。

右辺は、質量やエネルギーを表すとされている。
重力を作り出す源となるテンソルといわれているが、
質量に近づいたときに、重力の方向が厳密にはベクトル変換されることによるものか?
なぜテンソル量になるのかすっきりとはわからない。(ま、そんなことはいいや)

この方程式は一般には解けない。
シュレディンガー方程式が、実際の応用問題でほとんど解けないのと同じようなもので、
方程式はきれいだが解は得られないというパターン。
しかし特殊解はいくつか解かれている。

この方程式の言っていることは、ザックリと言えば、空間の曲率が、
質量やエネルギーと関連付けられるという、とんでもないことを言っているわけで、
これまでの空間・時間の観念を根底から変えてしまっている。
なぜなら物質と時空が関連付けられてしまい、
それぞれ独立には存在し得ないということだからだ。

物質やエネルギーのあるところしか時空の曲率が定義できないとは、
常識的にはなかなか想像できない。曲率が決まると、宇宙のサイズなども決まってくる。
物質がなかったら、時空間も考えられない、というようなことを表明しているわけである。

その背景には、これまでこう思ってきた。
---物質があろうが無かろうが、空間と時間は無限に広がりを持って、
あらかじめ存在している---というニュートン力学以来の世界観に慣らされているためだ。

膨張宇宙論はほぼ間違いないとされている現在、ビックバンの始まりのころには、
宇宙は素粒子よりも小さな粒状の存在だったとすれば、
時空もそのくらい小さな領域の話になる。

そしてその外には何があるのか?と考えてはいけないことになる。
とにかく小さかったのだ。世界というか宇宙はその中にのみ存在していたということだ。
時間も空間も一緒くたにその中にあった。
じゃあ、どうして小さいといえるのか、どういう方法で小さい大きいと判断しているのか、
考え出すときりがない。

悪魔の方程式といわれるゆえんは、膨張する宇宙像を前にして、
宇宙の始まりはあったのかなかったのか、などの疑問がわいてしまうことにある。
科学技術は、神話を抹殺する方向で発展してきたのに、
急に宇宙創造のなぞに眼を向けることになってしまった。

(2013-12-13 SNS日記より)
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