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それは星の世界から [科学・技術]

太古の昔から、人は夜空を眺めては星たちのきらめきに、
想像をたくましくしたことだろう。
しかし夜空の星たちは、自分たちとは隔絶した手の届かない
世界と感じる。亡くなれば星になるという言い伝えが存在するくらいだ。

いまでさえ、人類が地球以外の星に行ったのは月だけだ。
あとは人工衛星を飛ばして、太陽系の惑星たちを観察している。
1977年に打ち上げられたボイジャー1号が、
ようやく太陽系を離脱して宇宙へ飛び続けようとしている。

いちばん明るいシリウス星は、同じ銀河に属する比較的近い星だが、
8.7光年、つまり光の速さで飛べたとして8年以上飛行しなければ到着しない。

++++++

ところで、あるときボクはヘンな疑問に取り付かれた。

太陽はエネルギーの源で、その恩恵をこうむっているわけだが、
そのエネルギー源は、水素からヘリウムへの核融合反応である。
4つの水素原子が激しくぶつかり合い、
2つの陽子と2つの中性子からなるヘリウムに核融合する際に生まれる
すさまじいエネルギーが周囲に放出されているわけである。

したがって太陽の成分は水素とヘリウムしかない。
ではボクたちを形作っているもっと重い元素は、どこで作られたのだろうか。
なんとなく地球は太陽の子のように思っていたけれど、
地球の構成物質は、太陽からやってきたわけではないようだ・・・

で、宇宙の成り立ちを解説した本を紐解いて、いろいろ勉強してきた結果、
なんとも驚くべき結論らしいことがわかった。

+++++

オリオン座のペテルギウス星(オリオンの右肩の星)が、
超新星爆発しているかもしれないというニュースが流れた。
星の表面がボコボコと変形していて、どうも爆発が近いというふうにNASAが発表した。
距離にして640光年なので、すでに爆発しているかもしれない。
でもその光は地球には届いていない。
(もし爆発が見えるとしたら昼間でも輝く星として見えるそうである。
もちろんその後には、オリオン座の右肩が欠落してしまう)

この超新星爆発は、星の一生の最後の段階で起きる爆発で、
星の燃料となる物質がいよいよ欠乏して無くなってくると、
これまでの星の形態を支えきれずに収縮に向かう。
そして最後は中心に凝縮していく(落下していく)物質が、反転して爆破して、
そのほとんどの構成物質を周囲の空間に撒き散らしてしまう。
(ただしこの過程をたどるのは太陽の質量の8倍から30倍程度の星の場合である)

じつは鉄などの重い元素は、この超新星爆発により宇宙に撒きちらされるしか、
その起源が無いということがわかった。重い元素は重い星の内部でしか形成されない。
超高圧、超高温でしか重い元素は作られない。
水素とヘリウムが核融合している段階から、内部に炭素や酸素が形成される段階に移行し、
そののち鉄などの重元素が形成される段階にすすみ、
最終段階で超新星爆発を起こすということだ。

そのような重い元素は宇宙空間に広くばら撒かれてしまう。
たまたま太陽が形成されたときに、その重力にひかれて周回軌道につかまった物質が、
ぶつかり合いながら重力でまとまってできたのが惑星たちで、
つまり地球もそのひとつである。

ボクたちの血液のヘモグロビンの構成要素や、
健康な体には、鉄が足りないとか言っている鉄という元素は、
はるか昔にどこかで超新星爆発したときに広く撒き散らされたその破片が元になっている。

夜空の星たちは遠い存在どころか、ボクたちの体はこの星たちの作った物質で成り立っている。
ボクらはまさに宇宙の子だった。

(2014-07-25 SNS日記より)
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