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宇宙には意志があるのだろうか [宇宙]

大型店の本屋さんのなかに、古本コーナーができて、そこはちょっと楽しい空間になった。
このごろ新刊本でなければならない理由も薄れていて、古くてもかまわない。

桜井邦朋さんという方の書いた『宇宙には意志がある』という本に興味を惹かれ読んだ。
著者は元NASA主任研究員、神奈川大の教授という肩書き(当時)。

ざっと要約してしまうと、現在人類が生存しているこの地球やその環境を作っている条件を、
いろいろと科学的、かつ宇宙的規模で考察していくと、どうも地球が現在の形で存在し、
人間が生きているということは奇跡であり、とうてい偶然の産物とは思われないということだ。

ビックバンの直後に、陽子、中性子、電子が結びついて、最初の元素の水素や
ヘリウムなどが形成された。この結合に不可欠な電気的引力を決めている定数が、
ほんのすこしちがっていたら、現在の元素類は形成されなかった可能性があるというのだ。

動物や人間を構成しているたんぱく質は、炭素という4つの手を持つ中核元素が
中立ちとなってできている。複雑な分子が次々と構成される骨格となる元素だが、
もし炭素が形成されなかったらいまの動物は存在すらない。

よく言われるように、太陽から地球までの絶妙な距離があったからこそ、
海洋が生まれ大気ができた。金星でも火星でも生物は存在できない。
地球は絶妙なバランスの上に成り立っているということになる。

いまのわれわれを成り立たせている条件を探ると、偶然の重なりがあまりにも多すぎる、
なのでこれは宇宙の意志があるのだという趣旨だった。

宇宙の意志とは、知的生命を生み出し、宇宙自身を探求し認識するような
知的生命体を生み出す運動だという。そのために160億年の時間を待ったのではないか・・・

米国の宇宙論学者のディッキーという人は、宇宙は人間の出現のための
お膳立てを作り出して来たという『人間原理』と唱えているとのこと。

ボクにはその真偽は分からないが、どことなく中世を支配していた『天動説』が、
ここへ来て復活するのだろうかと、思った。宇宙動説ということになるのだろうか。

ドレイクという人は、天の川銀河のなかに存在する知的文明の数を推定する
ドレイク方程式を提案した。これによると何万という文明が存在しても、
おかしくないとなるらしい。
人類はその中で、選ばれし文明となるのだろうか。

山口で起きた放火殺人事件や、島々の領有権めぐる準紛争を見るにつけ、
精神世界はこの何千年のあいだ進化したようには思われない。

地球規模の国家が形成されて、無駄な資源争いや、軍備競争などを
全部やめてしまって、理性的で合理的な尊敬に値する人類となるのはいつのことだろう。

(2013-07-27 SNS日記より)

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