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道という考え方 (自分のためのメモ) [上達・練習]

野球トレーナーの森本貴義さんの言葉には、ハッとさせられるものが多い。
『プロフェッショナルの習慣力』という著書に、
野球の世界には2通りの人がいるという話があった。
つまり「野球をやっている人」と、「野球道を歩んでいる人」の2通りだ。

「野球をやっている人」は、引退と同時に野球をやめてしまう。
こういう人は現役時代に、野球を極めようというのでなく、
仕事として生活の手段として野球に関わっていたのだろうという。

「野球道を歩んでいる人」は、野球の面白さや成功するロジックを突き詰め、
野球を理解することに喜びを感じる人だという。
そしてこの野球道として取り組んできた人は、現役引退後も、
草野球を楽しんだり、子供たちの指導をするなど、
人生の中に野球が存在し続けるという。

道として野球をとらえて取り組むとはどういうことなのか。
たとえば自分のプレーが満足のいくものでなかった場合、
野球をやっている人は、不運だったとか、相手が悪かったとか、
いろいろな理由をあげるのだろう。
やるべき仕事としてとらえるならば、
次はうまくやろうと反省する程度に留まるのではないか。

しかし野球道としてとらえる人は、現在の自分の技術や
心構えのどこに問題があって、何を修正すべきかという方向へ考えを進める。
そういう人には、それまでに積み上げてきた自分の技術体系がすでにあって、
それが現実にうまく機能していない事実に対して、
どこを修正すべきかというふうに考える。

拙いプレーに対して、外部要因を探したりするのではなくて、
あくまで自己の歩んできた道に直すべき点があるという考え方だ。
言い換えれば、比較するのは過去の自分である。
相手がどうとか、環境がちがっていたとかではない。
相手や環境の変化に対しては、自分はどう対処するのかという視点で考える。

イチローが打撃フォームを変えるようにコーチに指導されたとき、
それに耳を貸さずに自分の信じたフォームを追求したという話は有名だ。
道を究めようとする人は、ひとり孤高に道を歩んでいるかのように見えてしまう。

しかし、比較する対象は、過去の自分。
傍からみると孤独に見えるかもしれないが、
本人は、孤独を嘆く気分など微塵も無いだろう。
自分の信じる道をどうやって進んでいくか、
その一点に腐心している。
孤独を口にする人は、いつも人と比較して生きている。

(2015-04-22 SNS日記より)

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何の夢を・・・ [禅]

1年ほど前だったろうか、書店で鈴木俊隆禅師のアメリカでの
布教活動の逸話を集めた『禅は、今ここ』という書を偶然手にした。
それ以来いつも傍らに置いている。

またまた偶然だが、別の書店で、1ヶ月前ほど前に、
鈴木老師の講和集の体裁の本『禅マインド、ビギナーズマインド』を
見つけた。探していた訳ではなかったのだが、読みたいと思っていた。
いや無意識の領域で出会いたいと願っていたことが実現したのだろうか。

深くうなずく部分と理解がいかない部分が混在していながら、読了。
こちらも座右の書となった。

あとがきに紹介された禅師の逸話がとてもこころに迫る。
こんな話だ。(多少の省略と要約を入れている)

===

おそらく禅センターで行われた座禅会で質疑応答の場面であったのだろう。
ひとりの弟子(ジョン・スタイナー)が、うしろの方から質問した。
「海の向こうで、戦争しているのに、私たちは、ここで何をしているのですか?」
最初、老師は聞き取れなかったようでもう一度繰り返した。
その弟子は、反戦運動をしていて、ちょうど反戦デモが計画されていたときだった。

老師は微笑み、その弟子も微笑んだ。
とつぜん猫がねずみを襲うよりすばやく老師は、
上座から飛び降りてきて、弟子の背後に回り、警策を伸ばして、
「合掌!」といった。
それから弟子を何度も何度も打ち、叫んだ。
「愚か者。愚か者。時間を無駄にしておる」
何度も打ち据えたので、弟子は前のめりに倒れてしまった。
「夢を見ているのだ!夢を見ているのだ!
なんの夢を見ているのだ!?」

老師は息切れして、ほとんど聞き取れない声で言った。
「怒っているのではない。ただ・・・」
息をついでから、
「自分の靴の紐も結べないのに、何をしようというのか」

のちに老師は弟子に乱暴をわびたそうだ。
弟子はそのとき、師の老齢、かぼそさ、慈悲と苦悩に
うたれたとある。

===

ボクたちは、ほとんど酔生夢死のまま生涯を終える。
それが迷いにまみれた凡夫の姿。
人生の真実の姿を垣間見ることなく、人生を終わる。
老師の目から見れば、みんなそれぞれちがった夢を
みて、まどろんでいる。
この逸話を知るとき、目を覚ませと老師の警策が
今ボクたちに振り下ろされている気がする。

(2015-04-18 SNS日記より)

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雨読記 [身辺雑記]

4月12日(日)
久しぶりの晴天で、板を担いでチャオにでも出かけようかとも思ったが、
買い物のお付き合いやらサボテンの植替えなどがあって、
ほぼ家の周辺でうろうろした。

先日買った日高義樹『中国、敗れたり』を読む。
事実に基づく分析が説得力を増している。
示唆に富む本だ。

中国は海洋国家たり得ない。これまでの歴史を見ても、
海洋の外へ出て覇権を取ったことが無い国である。
基本的に陸地の戦争に明け暮れてきた国で
(だから中華とか陸地の中央の国とか言っている)、
基本は陸軍を中心とする国家である。
毛沢東だって陸地の争いしかやっていない。
いま熱心に海軍軍備の増強を試みているが、
実力レベルは先進国にとうてい及ばず一流たり得ない。
海洋国家たり得ないということは、
G2などという大国のホラを吹く資格は無い。
中国は、大量資源輸入国で、中東やアフリカから海路をつかって
資源を大量輸入している。
泣き所は海路を自ら単独の力では確保できないことだ。
同盟国のいない中国は、周辺諸国との争いを起こせば、
周辺国から締め上げられ海路が封鎖されてしまう。
マラッカ海峡など中国船は通れなくなるだろう。
そうなればすぐ中国は詰んでしまう。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)など、チャンチャラおかしいと感じる。
日本のマスコミは、日米のバス乗り遅れ論を喧伝しているみたいだけれど、
そりゃ逆でしょと思う。
GDP1位のアメリカと3位の日本が参加しなければ、
集まる資金の大半は、中国が出さざるを得ない。
しかしいちばん金がほしいのは中国なのだ。

自分を過信し続ける限り、中国の力による現状変更の動きは
止まないだろう。またアメリカのアジア施策の今後の姿は見えないが、
現状の弱腰オバマ外交が続けば、
中国と日本との衝突もありえると日高さんは分析している。
(つまり誇大妄想の中国と、衰退していくオバマ外交のはざまで・・・)
アメリカ次第だが、日本の核武装もひとつの選択肢である
と日高さんは結論付けている。

4月13日(月)
朝から雨の降りどおし。
絵画教室は悪天候のため中止。
何も予定の無い一日となった。
サボテンの植替えをする。
昨日もとめた『宇宙の事典 オールカラー版』を眺めて過ごす。
宇宙のことなど、生活に何ら影響しないし、どうでもいいと思うのだが、
そう思いながらも星雲や銀河の話に魅了されてしまう自分がいる。
ダークマターの存在について勉強した。
夜NHKの特集番組で、土星の衛星エンケラドスに生物の生存可能性が
高いという話を聞いた。エンケラドスが水蒸気のジェットを放出しており、
地下に熱水があることがほぼ確実視されているとのこと。
原始地球で生命が誕生した環境に極めて近いものがあるということで、
10年以内には結論が出るだろうとのことだった。

(2015-04-13 SNS日記より)

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